パラダイス鎖国

Geekなぺーじで知った本を読了。

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

解説で梅田望夫さんが指摘されているとおり、「パラダイス鎖国」というフレーズは言い得て妙だと思います。
一応、GDPでは世界第2位で、安全面や衛生面では(多少治安が悪くなったにせよ)他の先進国とは比べものにならない位のレベルに達しており、慎ましく生活する分には特に不自由を感じない環境が整っている我が国日本。しかし、海外から特に意識されているわけでもなく、日本も特に海外に対する興味を失っているように見える。気がつけばみんなそれなりに豊かになっており、特に不満もない。そんな豊かさが招いた「パラダイス鎖国」とは何なのか。そして、それを打破する方法はあるのか。


結論から言うと、とても興味深い本でした。パラダイス鎖国になる過程と、その問題点、及び解決策について、とても丁寧に書かれています。今の日本を取り巻く何ともいえない閉塞感について感じるものがある人は、読んでみる価値がある本だと思います。
ただ、悲観的な意見を言ってしまうとアレですが、単民族国家の日本は結束力が強い反面、異端者には容赦ない部分がありますので、そんな民族背景の中で、シリコンバレーのような「厳しいぬるま湯」状況を作れるのかどうかに関しては、正直難しいんじゃないのかなと思っています。尤も、筆者はその可能性として「ネット上での活動」を上げていますが。


まずは自分の中でさまざまな多様性を持つこと。僕がこんなヘッポコ日記をつけているのも、(必要に迫られたにせよ)英会話スクールに通うようになったことも、単にプログラマーとしての現状を打破するための手段を模索している部分もあったりするわけですが、この本を読んで図らずもそのことを再確認することになりました。
この道がどこに続いているかは分からないけど、いつか何処かに繋がっていると思って。