いじめ学の時代

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“いじめ学”の時代

“いじめ学”の時代

僕は、小学校から高校までいじめにあってました。小学校から中学校までは地元の公立学校なので逃げようが無かったのですが、頑張って勉強して入学した高校でも(小中とは別人からの)いじめが続いたので、結果としては何もかわりませんでした。なので、(少なくとも僕のケースに限っては)いじめられる原因は僕のパーソナリティーにあるものだと、つい最近まで思っていました。勿論、だからといっていじめの加害者を擁護するつもりなんて毛頭ありませんが。


さておき、「いじめ」が問題にならない時代なんてないのですが、いじめ問題についてのいわゆる有識者の意見を聞くたびに、なんかズレた意見を言っているような感覚がしていました。僕が「被害者」寄りに立って考えてしまうということもあるのですが、それを踏まえたとしても、何かポイントがずれているというか、質問に対する回答になっていないというか、そんな考えをずーっと持っていました。かといって、具体的にどうずれているのかを表現することが出来ず、この手の問題について長らく悩んでいた時期がありました。というか、今でも悩んでいます。
この本を読んで思ったことは、有識者殿の意見はやっぱりずれていて、僕の中にある思いは間違っていなかったんだということでした。そして、僕がいじめられていた原因は僕自身には無かったということも。


この本は、いじめ発生のメカニズムについて、とてもわかりやすく書かれている本だと思います。そして諸悪の根源についても。諸悪の根源の正体については薄々感づいてはいたのですが、その点についてもわかりやすく解説されています。具体的な回避策についても考察されていますが、これは個人でどうにかなるものじゃないのが残念。逆に言うと、社会全体が本気でいじめについて取りかかる必要があるのだと思います。それは、「教育の充実」だとか「地域社会のつながりを重視する」とかそんなピントがずれた(というより「妄想」と言ってもいいと思う)とかではなく、もっと別の次元からという意味で。
 僕が書く拙い文章で紹介するのがとても勿体ない本なので、取り敢えず読んでみてください。特に以下のいずれかに該当する人は、絶対に読む価値があると思います。

  • (もちろん)今いじめに悩んでいる人。
  • 高校生以下の生徒・児童。
  • 高校生以下の子供を持っている親御さん。
  • 小学校、中学校、高校の教師の皆様。

 ここまで書くと諸悪の根源についてはバレバレの様な気がしますが、取り敢えず読んで損は無いと思います。

参考

いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体

いじめの社会理論―その生態学的秩序の生成と解体

この本はいつか必ず読む。

補足(2008-04-27)

読み終えました。